杜氏トウジとは
杜氏(とうじ、とじ) 1ニン:プロダクトマネージャー・コンダクター、統率トウソツシャ職制ショクセイ:蔵の管理、帳簿管理、醪(もろみ、ニゴザケ)の仕込みと管理
杜氏トウジ補佐ホサ:杜氏からの指令伝達、蔵人の指揮、仕込み水汲み、醪仕込み主任
大師または麹師、コウジ 麹用蒸米の取込み、麹室仕事一切
  モト廻しまたは酛師 モト(もと、シュ)立ての仕事一切、醪仕込み
道具廻し 酒造用具の管理一般、道具洗浄、水の運搬、米洗い、蒸米取出し
釜  屋 甑蒸し、釜焚きつけ、米洗い、米量り、仕込み水汲み
相  麹 麹師助手
相  釜 釜屋助手
上人(じょうびと) 桶洗い、米洗い、水汲み、道具準備
中人(ちゅうびと) 水汲み、米洗い、蒸米運び、洗いもの
  下人(したびと) 洗いもの、米洗い、水汲み、泡番
  飯炊(ままたき、かしき) まま屋、食事一切、麹室手伝い、桶の見回り、掃除
コウジ 糖化トウカ酵素コウソ 澱粉デンプン葡萄ブドウトウ分解ブンカイ
酵母コウボ 発酵ハッコウ 葡萄ブドウトウをアルコールに分解ブンカイ
酒造シュゾウ工程コウテイ
酒造工程
1精米(せいまい)
玄米の表面を削り落とし中心部の澱粉を含む部分だけを残す。
外側の層に含まれている蛋白質や脂肪など酒の香りや光沢を
損なう原因となる成分を予め取り除くため。玄米を100と
した場合、主食用の米が精米されて92%程度の大きさにな
るのに対して、酒米は普通酒用のものでも75〜70%。
高級酒用では60〜35%位になる。
2洗米(せんまい)
米の表面に着いた「ぬか」を洗い落とす。
3浸漬(しんせき)
蒸すために最適の水分を含ませる。
4蒸米(むしまい)
米を蒸してご飯のような状態にする。この状態を「蒸米」という。
澱粉をぶどう糖に変える(「糖化」)ための準備段階として、
熱を加えて糖化可能の形に変えるため。
5製麹(せいきく)
米を麹にする。
蒸米のうち約2割を麹にする。黴の一種である麹菌を蒸米に
植えつけ培養する。適当な温度と湿度の中で麹菌は菌糸を伸ばし
米の中心部まで食い込んでいく。麹には澱粉を糖分(ぶどう糖)に
変える酵素が含まれている。
6仕込(しこみ)
蒸米と麹と水と酵母をタンクに入れ所定の温度にして攪拌する。
タンク1本の仕込は3回に分けて行う。温度管理しやすい小さな
単位から段階的に酵母を増殖させる。安全な方法ということで昔の人が考えた。
7醗酵(はっこう)
麹、蒸米、酵母と水の混合液(もろみ)を温度管理して酒にする。
米が融けて、麹の力によって澱粉が糖分に変わり(糖化)、
この糖分が酵母の力でアルコールに変わる(醗酵)という2つの作用が
同時に進行して次第にアルコール度数が高くなっていく。
この液体を醪(もろみ)と呼ぶ。普通酒は約20日間、
吟醸酒は約1ヶ月間で醗酵を終える。
8上槽(じょうそう)
醗酵を終えた醪(もろみ)は圧搾機により酒と酒粕に分離する。
9火入れ(ひいれ)
低温殺菌法により原酒の酵母や酵素の活性を止める処理。
10貯蔵(ちょぞう)
熟成のため半年から1年間、常温貯蔵する。(22℃程度)
11壜詰(びんづめ)
原酒をろ過して、製品規格にあわせて加水調合し壜詰する。
壜詰工程で更にもう一度、低温殺菌するので、常温流通が可能になる。
9の火入れ工程を省き冷蔵貯蔵のまま壜詰したものが「生酒」であり、
原酒を生のまま貯蔵しておき、壜詰工程で低温殺菌(熱処理)したものが
「生貯蔵酒」となる。生酒はチルド流通、生貯蔵酒は常温流通となるが、
いずれも冷やで飲む酒。火入れ酒は常温流通で、冷やでも御燗でも飲める。
http://suginishiki.sakagura.info/seizoukoutei.htm
http://homepage2.nifty.com/nishinomon/kotei.htm